第49話 アリゾナ州立大学 in 広島大学

先日インターネットでニュースを見ていると「広島大学が米大学を誘致」という記事が載っていました。私は「まさかアリゾナ州立大学ではないだろうな？」と勝手に予測をしつつ記事を開いてみるとそのまさかでした。広島大学のキャンパス内にアリゾナ州立大学の日本校を作るという記事で国立大学としては初めてのことのようです。私は広島大学とはあまり縁がないのですが、アリゾナ州立大学とは少しだけ縁があります。アメリカで訪れたことがある唯一の大学がアリゾナ州立大学で、そういった経緯があり今回広島大学が誘致する大学がアリゾナ州立大学ではないかと予測したのです。

話は今から20数年前に遡ります。大学の恩師H先生がアリゾナ州立大学へ研究留学へ1年間行かれていました。私はその間4泊6日の旅程でH先生を訪ねて行きました。初めての海外旅行です。1人旅であり、英語もほとんど喋れず、しかも当時は携帯電話すら持ってなかったのです。今考えればよく1人で行ったものです。

アリゾナへ向かう途中、ワシントンで乗り換えをしました。ワシントンで乗り換えのフォームが分からなくなったため、現地の人に聞こうとしましたが、どう言っていいか分かりません．運良く、全く見ず知らずの日本人添乗員さんを見付け通訳をしてもらい、難を逃れました。

ワシントンからアリゾナへ向かう途中、飛行機の中で隣席のアメリカ人に話しかけられたのを覚えています。簡単な日常会話でしたので、何とか無事話すことが出来ました。そしてアリゾナのフェニックス空港に到着し、H先生と再会しました。

もう少し長期で行っていれば、グランドキャニオンへ行けたのですが、残念ながら日程的に不可能でした。アリゾナ州立大学の外まで見に行くことは出来ましたが、私は部外者のため、中には入れなかったと思います。

アリゾナの現地の私と同じ年齢位の青年と話をしましたが、挨拶が通じません。これには理由があります。当時の日本の英語教育では、初対面の挨拶として「How do you do?」を使うように指導されていましたが、これは間違いだったのです。私はてっきり発音が違うのかと思いましたが、表現自体が間違えていました。「Nice to meet you.」が正解のようです。

現地で一人で買い物をした際、表示されている通りの金額を払ったのですが、店主が大きな声で「Tax! Tax!!」と叫びました。私はてっきり内税だと勘違いしたのですが、外税だったようです。慌てて紙幣をもう1枚渡したところ、店主がニンマリとして「Thank you!」と言いました。おそらく私はかなり余分を払ってしまったのでしょう。

こうして私のアリゾナでの珍道中は終わりました。私と縁あるアリゾナ州立大学の日本校が地元広島に出来るのでいつか見学に行けたらなと思います。