不思議な毎日~人生迷走中?

私の人生で起こった不思議なこと~不思議・雑記

第64話 奇人変人数学者

今回は第64話「奇人変人数学者」です。先ごろ、さざ波ツイートで世間の反感を買ったT内閣官房参与は有名大学の数学科卒であると言われています。数学科卒の人は、ずっと数学の事を考えているので、日常でどこかおかしなところがあるのかもしれません。

かくいう私も数学科卒ですが、少しばかり常識外れの人間のような気がします。

 

私が大学時代に出会った数学者達もどこか変わっていました。

 

幾何学の授業中でした。大変厳しく、変わり者と噂されたS教授の授業。私たち学生はまさかの光景を目にすることになるのです。

 

S教授の初回の授業での出来事でした。「この問題、分からないもの手を挙げろ」「次のこの問題、分からないもの手を挙げろ」「こんなに分からないものが多いのか?あーいらいらする」「ちょっと待ってろよ」と次の瞬間、S教授は窓を開け、何のためらいもなくワイシャツのポケットから煙草を取り出し、ぷかぷかと煙草を吸い始めたのです。「まさか、授業中に教授が煙草を吸い始めるとは・・・」私はあまりの光景に目を疑いました。もちろん目を疑ったのは私だけではありませんでした。そこにいた学生たちは皆絶句してどうしていいか分からなかったのです。

 

その当時はまだ平成が始まって間もない頃。世の中はバブルが崩壊していたらしいのですが、まだ私たちはバブルが崩壊したという事実に気が付いていませんでした。今とは違い、自由な時代だったとはいえ、大学の授業中に教授が煙草を吸うというのは考えられませんでした。その後もS教授はほぼ毎回授業中に煙草を吸ったのです。私たち学生も慣れっこになり、あまり驚かなくなりましたが。ただ、今の時代なら完全にアウトでしょうね。内輪で抗議がくる程度ならまだいいのですが、下手をすると週刊文春が騒ぎ出す事態になる可能性が大だったと思われます。令和の今でしたら、間違いなく大問題になっていたことでしょう。

 

それから2年後の講義でも時間割にS教授の名前があったのですが、講義を実際に担当されたのは違う教授でした。もしかするとS教授、体調を崩されたのではないかと心配されましたが、その真実は今となっては闇の中です。

 

一方でいい意味で期待を裏切った数学者もいました。当時まだ講師の立場だったT講師。見た感じあまりパッとしない講師でした。ただ、人柄は大変評判がよく、会うといつも大きな声で笑っているといった感じでした。いい意味で裏切られたと私が感じたのは、実はそれから25年以上経った昨年のことです。私が書店で数学書のコーナーで立ち読みをしていると現在は教授となっているT教授の書いた本を発見したのです。「懐かしいな。本を書かれたんだ。」と思い、その本の周辺を見渡しているとT教授の書いた本がたくさん見つかったのです。私は驚き、家に帰ってT教授の名前をネットで検索すると、何と日本を代表する数学者の一人になっておられました。「そんな凄い人だったのか。いい意味で騙された…。まさに能ある鷹は爪を隠すとはこのことだな…せめてサインを貰っておくべきだった。」

 

今となっては数学の世界で有名人になられたT教授。私がT教授のようにいい意味で期待を裏切る日は来るのでしょうか?

 

読者のみなさんも奇人変人数学者をご存じないでしょうか?

 

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先日他界した田村正和さん主演の舞台を16年前に見に行きました。今となっては貴重なチケットです。もちろん、田村さんは数学とは無関係ですが…。