不思議な毎日~人生迷走中?

私の人生で起こった不思議なこと~不思議・雑記

第24話 訪ねてくる犬    

私の人生に大きな影響を与えた犬は3匹います。今現在も飼っているピーチ、昔飼っていたハナコ、そして福岡市に住んでいた時に出会ったサブロウです。サブロウは飼っていた犬ではないのですが、私と大変縁があった犬です。ピーチ、ハナコは雌犬、サブロウは雄犬です。

 

大学時代に福岡市に住んでいたのですが、福岡に住んで驚いたことは、放し飼いにしてある犬が多かったことです。野良犬ではなく、飼い犬が放し飼いにしてあるのです。20数年前の話ですので、今現在もそのような状況なのかはよく分かりません。

 

私が福岡に住んでいたとき、途中で引っ越しをしました。引っ越し先は海辺のアパートの1階でした。その近所で一匹の雄犬が飼われていました。それがサブロウでした。昼間は鎖に繋がれていたのですが、夜間は放し飼いにしてありました。私は夜30分程度散歩をしていたのですが、その際サブロウを撫でたりして可愛がっていました。ある時、サブロウが私の後をついてくるのです。私は、「またね」と言ってアパートのドアを閉めたのですが、気になりもう1度開けるとサブロウが黙って座っています。私は1度餌をあげると癖になると思いつつもソーセージを一口あげました。サブロウは喜んでペロッと食べました。それからというもののサブロウは私の後をついてくるようになりました。そして何もあげずにドアを閉めるとドアをドンドン叩くようになったのです。それからついてくる度に餌をあげるようになりました。「やっぱり癖になってしまったなあ」と反省しました。

 

当時の友人に話してみても信じてもらえませんでした。試しに来てもらってサブロウが私の後をついてきて、アパートのドアを叩くのを聞くと皆一様に驚くのです。私の母も最初は信じようとしませんでしたが、実際にサブロウがドアをドンドン叩くのを聞くと大変驚きました。祖母が訪ねて来た際、この話をすると「そんなバカな事があるか。バカも休み休み言いなさい。」と言ったのですが、実際にサブロウがドンドン叩くのを聞くと、「あんたの言う事は本当だったね。すごい犬じゃね」と言ったのです。

 

私も大学を卒業する際、サブロウに時々会いに来る約束をして福岡を去りました。私が福岡で住んでいた近くにホテルが会ったのでそこに半年に1回程度予約をしてサブロウに会いに行くようになりました。サブロウは段々と年老いていきました。サブロウは日中は繋がれていたのですが、ある時サブロウが繋がれていた場所へ行くと全く違う犬が繋がれていました。サブロウは亡くなったんだなと思い、心の中で別れを告げました。

 

私が飼った犬ではなかったのですが、サブロウは今でも私にとって思い出深い犬なのです。