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第78話 奇人変人数学者 part2

今回は第78話「奇人変人数学者 part2」です。先日、世界国際数学連合(IMU)の総裁に日本人数学者、中島啓さんが選ばれました。中島さんの快挙は、沈みゆく日本にとって大きな快挙です。今回はこれを記念して「奇人変人数学者 part2」を書きたいと思います。

 

私は大学時代数学科に属していましたが、幾何学を担当していたのがS教授。その演習を担当していたのがY助手(今では助手ではなく、助教という。)でした。数学科では講義と演習で1科目という仕組みだったのです。

 

S教授は偏屈で有名。ストレスが溜まると突然あることを始めるのです。それは・・・

 

「この問題が分からないものは手を挙げろ。いいか、正直に手を挙げるんだ。」

するとクラスのほとんどが手を挙げました。「何、こんなに分からないやつがいるのか。ああ、イライラする。」と言って突然窓を開けて煙草を吸い始めました。生徒は一同唖然。まさか、大学で授業中に教授が煙草を吸い始めるとは思わなかったのです。」

 

「いいか、今見たことは教務課の奴らにしゃべるんじゃないぞ。最近の教授会は数学の話題よりも俺が授業中に煙草を吸っていることを責める話題ばかりだ。」「それとな、間違えても週刊誌にもしゃべるなよ。」学生一同、「誰も先生が煙草を吸うことを週刊誌にはしゃべりゃしないよ。」と心の中で思っていました。ある意味、自由過ぎる時代だったのです。

 

S教授のもう1つの特徴は英語の教科書を使うこと。S教授は「俺の授業はな、他の教授と違って英語で数学を学ぶことを特徴としている。これをな、二刀流というんだ。将来な、この二刀流を真似するやつが絶対出てくる。俺の推測ではな、野球界に出てくると思うぞ。」「先生、質問があります。」「何だ、何でも言ってみろ。」「二刀流って英語で何というんですか。」「それはな・・・」一瞬、S教授の顔が硬直しました。「そんなもんな、自分で調べろ。自分で調べるというのが勉強というものだ。」教室の後ろのほうでクスクスと笑い声が聞こえてきました。「あいつめ、俺に恥をかかせやがったな」と思いながら、こっそりと窓を開けて煙草を吸い始めました。

 

一方のY助手。Y助手の鉄板のネタが、有名数学者「秋山仁」の伝説を語ること。「秋山仁」はEテレで数学の教育番組を持つ有名人。ちょっとお茶目な髭がトレードマークです。水戸黄門などで有名な由美かおるとも熱愛が報じられた人物。

 

秋山仁はW大学の構内で車を暴走させるので有名です。あれが彼オリジナルのストレス発散法なのですよ。ま、安心して下さい。今のところ無事故ですから。」学生一同、

「そういう問題じゃないだろ。」と内心思っていたのです。

 

今、振り返るとあの頃はまだ平和だったなというのが私の実感です。国際数学連合の舵取りをされる中島さんの今後のご活躍を期待し、沈みゆく日本がもう1度浮上されるきっかけを作って頂きたいと思います。