第55話 ある物産展でのおまけ

先日、広島市内で開かれていたある物産展に行きました。ご時世を反映してか、こじんまりとしており、お客さんも少なくどこか物足りなく感じましたがお菓子を2点購入し、帰宅しました。20年位前の出来事ですが、私には懐かしい物産展の思い出があります。

あるデパートのワンフロアで開かれていたN県物産展での出来事でした。大勢の人がおり、私は醤油売り場へ行き、税込み1050円の醤油を購入しようとしました。そこの販売員さんが、「男の人が買いに来てくれるなんて感動した。よし、気に入った。おまけしてあげよう。」と周りにも聞こえる位の大きな声で私に話しかけました。

私はてっきり「半額位にしてくれるのかな？」と思いつつ、いくら値引きしてくれるのかを期待していました。「あれだけ圧倒する位に言うのだからかなり値引きしてくれるんだろうな。」と内心思ったのです。

「よし、1050円のところを1000円にしてあげよう。」私は思わず、ずっこけそうになりました。「50円しか値引きしてくれないの？」もちろん言葉には出しませんでしたが、その販売員さんの勢いが凄かっただけに拍子抜けしたのです。

その物産展での出来事は今となってはよい思い出です。いまだに物産展と聞くとこの出来事を思い出して、思わず笑ってしまいます。早く以前のように大規模な物産展が開かれる世の中になって欲しいものですね。